スコット・ジョプリン 作曲の「メイプル・リーフ・ラグ 」を弾きました。ラグタイム王 ジョプリンの有名な曲の1つということで、今回は
「この曲、知ってる」
「どこかで聞いたことあるな」
という方も多いかもしれませんね。
初めて ラグタイム というジャンルを覗いたとき、わたしはその曲調に楽しさを感じながらも、練習をしてみたいと思うほどには馴染めず、ピンと来ないところもあった。ラグタイムど真ん中(?)のような曲は、どうもわたしにはコントラストが強すぎるような感じがあって。ただ調べてみると、ラグタイムもそういった曲ばかりではなく、もう少し柔らかいものもあることが分かった。ジョセフ・ラムという人の作品はクラシックのような雰囲気も感じられ、こちらはわたしにも親しみやすい。これならいけそう、と思えて、彼の「ボヘミア・ラグ」という曲を弾いてみることにした。それが2年前のこと。
そして今回は、スコット・ジョプリンの作品。
「そろそろまたラグタイムをやってみようかな」
と考え始めたときに、
「今度は“ど真ん中”もいいかもなぁ」
と思った。そう思えるようになっていた。実際に練習を始めてからも、馴染めない感じとか抵抗とか、そういったものは全然なくて、むしろ最後まで興味と好奇心を持って取り組むことができた。そこまでの自分は予想していなかったから、ちょっと驚いている。「ボヘミア・ラグ」の後もずっとピアノを練習してきて、ジャンルや時代にこだわらずにやりたいと思うもの、やろうと思うもの(必要なことも含めて)をやってきた。そうしている中で自然と気持ちが変化してきて、あるいは広がってきて、いつの間にかラグタイムど真ん中も楽しめる自分になっていた。そんな自分の変化が面白く、嬉しい。
この曲を練習し始めた頃はまだ春でしたが、最後は暑さとの闘いになりました。当然、冷房や扇風機はしっかりつけてやっていますが、それでも弾いているとときどき、頭が少しぼーっとしてくるようなことが……。そして演奏も危うくなったり。指が汗ばんでくるのもなかなか曲者。汗で指がひっかかって、鍵盤の移動がスムーズにいかなくなってくるんですよね。
それはともかく、今回弾いていて、表現に関して
「ここはこうするほうがいいかな」
「ここはもっとこういうふうに」
と思ったところは、なかなか頑張ってやれたように思います。試して、録音を聞いて確認して、次回それでいくことにしたり、修正したり。それを何度も繰り返す。試行錯誤。「まぁ、こんなもんかな」と思えるぐらいには、演奏に反映できたかな。今、ほどよい達成感と満足感を味わっています。
「メイプル・リーフ・ラグ」、とても楽しく、充実した時間を過ごすことができました。
ところで、ジョセフ・ラム、スコット・ジョプリンと来て、こうなってくるとラグタイムの三大作曲家のあと1人、ジェイムズ・スコットの作品も見てみたいような気持ちになってきますね。どんな曲を書いた人なんだろう?それを体験する日も、そのうちやってくるかもしれません。
音楽用語 | 読み | 解説 |
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tempo di marcia | テンポ・ディ・マルチャ | 行進曲の速さで |
trio | トリオ | メヌエット,スケルツォ,行進曲などの中間部 |
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