「人の話が聞き取れない」
「もしかして、わたしは APD?」
※ APD (Auditory Processing Disorder):聴覚情報処理障害
前回の記事からだいぶ期間が空いてしまいましたね。大学病院耳鼻科での診察や検査のこと、話を続けます。
▽これまでの記事
8月中旬に標準語音聴力検査を受けて、その結果を9月はじめの診察のときに聞きました。検査では、雑音下での言葉(「あ」「い」といった単音節)の聞き取りがどれくらいできるかを、雑音の影響が小さい場合と大きい場合でそれぞれ調べました。結果は、
雑音の影響が小さい場合:問題なし
雑音の影響が大きい場合:聞き取りの程度が、問題がない人に比べて少しだけ低い
とのことでした。
とはいえ、あくまで検査は単音節の言葉を聞き取るもの。日常生活の中では、人の話を聞く場合、聞いている言葉の多くは単語や文だし、前後の文脈もあったりします。また「今、◯◯についての話を聞いている」ということを分かっているとか、その内容についての知識があるとかいう場合もよくあります。だから、どこか一部が聞き取れなかったとしても、その部分を推測したり、補完したりしながら話を聞くことができる……これは特に聞こえに問題のない人であっても普通にやっていることですよね。わたしの場合も、雑音の影響が大きいと聞き取りの程度が低くなるとはいっても、それは単音節の場合に“少しだけ”だし、普段は「全然聞こえない」わけではなく、むしろそれほど「聞こえにくい」とは思わないくらいだったりします。
もしかしたら、今「あれ?」と思った方もいるかもしれませんね。「人の話が聞き取れない」と言っていたのに(だから耳鼻科へ行き始めたわけだし)、ここにきて「それほど『聞こえにくい』とは思わない」と言い出しているので……。もう少しちゃんと書きますね。
前々から「ちゃんと聞き取れていない気がする」「話を聞くのは苦手」という意識があって、そのことで少し困ったり悩んだりしていたのはその通りなんです。ただ、それは
- 普段、誰かと話すという機会が以前に比べて減っているので、聞くことが下手になったのかもしれない……もっと努力しなくては
- 今日は話に集中できていないみたいだなぁ
- 苦手、苦手と思い過ぎているだけ?聞き取れていないというのは気のせいかな
などのように思っていたんですよね。それが、新型コロナウィルスが広がり、感染防止のためにマスク着用が当たり前になって、お店のレジ、病院の受付などには透明な間仕切りが設置されたり、スタッフの方がフェイスシールドを着けている場合も出てきて、その状況になって初めて、気のせいとか努力不足とかいうことにはできないくらいに「全然聞こえない(場合がある)」のを体験、実感することになって。さすがに聞こえなすぎのような気がして、危機感を覚えて、そこから自分で少し調べたり、近所のクリニックで聴力検査をしてもらったり……で、今に至っています。
だから、コロナのことがなければ、今でもまだ「気のせいかな」とか「わたしの努力が足りない」と思うだけだったんじゃないかなと思う。それくらいに、コロナ以前の環境の中では「聞き取れていない」という感じが“なんとなく”であって、自分でも分かりにくいくらいの程度だったんです。そして今は、その場、そのときの環境、状況によって、聞き取りにほとんど問題を感じないこともあれば、なかなか厳しいこともある、ということなんですね。
さて、話は9月はじめの診察のときに戻りますが、標準語音聴力検査の結果を聞いた後、B先生からこのようなお話、提案がありました。
「今後のことを A先生とも話して考えていて……」
「内耳の MRI を撮ったら画像に何か出る(発見がある)人というのもいて、MRI検査を受けてみるのもいいかもしれないんだけど」
「どうしますか?」
わたしはそれを「おお、なんだかちょっとすごく(?)なってきたぞ」と思いながら聞いて、迷うことなく
「やってみたいです。ぜひお願いします」
と答えました。
「分かりました。それではやってみましょうか」
ということで、早速 MRI検査の説明に移りました。造影剤を使った検査になるので、副作用などについての説明も受けました。血液検査にて腎機能を確認し(腎臓の機能が悪い場合、造影剤を使用できないようです)、問題ないことが分かったので、あとは同意書にサインをして、この日は帰ってきました。
MRI検査は、他の患者さんの予約でずっといっぱいに埋まっていたのかな、3か月と少し先の12月中旬まで待って受けることになりました。
今回はここまでです。のんびりになってしまうかもしれませんが、続きもまた書きますね。
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