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まさえ
(mimu)
愛知県在住,40代。
一時期,こころとからだの勉強をしていました。ゲシュタルト療法やボディサイコセラピーなど,ソマティックアプローチの心理療法を中心に学んでいました。
現在はゆるゆると己事究明を続けつつ,趣味とセルフワークを兼ねて,日々ピアノを弾いて過ごしています。
ピアノはオオハシ132EWを使用 (2020年10月~)。

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何者でもなく

  • こちらは、2022年7月30日に書いた「インプロの旅をたどる (16):2012.10.17 ピアノ インプロヴィゼーション」という記事から「2012.10.17 ピアノ インプロヴィゼーション」にまつわる部分を切り離し、それ以外の部分に最小限の加筆修正をして、改めて記事にしたものです。なお「インプロの旅」シリーズは、現時点ではリバイバル版公開の予定はありません。

以前、浦太さんという方のブログで

「芸術は排泄である」

という表現を目にしたことがあります。記事は、作家・田口ランディさんの「自分にとって【文章を書く】ということは【排泄】ととても似た行為」という言葉に衝撃を受けた、という話から始まり、次のように続きます。

芸術、アート、を目指す者は、「自分は、芸術、アートを目指す、或いは生業とする、芸術家、アーティスト、と云う高尚な人間である」と云うとんでもない勘違い、妄想を生んでしまいがちになる。とんでもない、自分の中に有るモノを外に出す、排泄に過ぎない。(中略)少なくとも作る側の人間は、「芸術は排泄である」と思っているのが丁度良い。

排泄│DTM浦島太郎の玉手箱
  • 浦太さんは亡くなられましたので、残されたブログも今後どうなるかは分かりませんが、今はまだ記事を読むことができます。

2010年3月に書かれた記事のようですが、わたしがこの記事を読んだのは浦太さんと知り合ってからのことで、2011年か2012年です。読んだそのとき、既にときどきはピアノでインプロをやるようになっていて、それをブログに載せることもあった自分として「そうだよなぁ」と思ったのを、今でもぼんやりと覚えています。「排泄」という言葉もそれほど抵抗はなくて、自分の中にすっと入ってきたし、馴染むものでした。

それから10年以上経って今、このあたりのことに関しては、もう少し広い範囲で、様々な度合いで、自分なりに思うことがあります。「排泄」という言葉になるかどうかはともかくとして、こういったことはわたしにとって、作品をつくる人間だけの話ではなく、音楽、芸術だけの話でもなく、ブログや SNS 、知人・友人、家族との会話やメッセージのやりとり、普段からの自分の振る舞いやあり方……そういったいろんなこと、いろんな場面において含まれてくるところがあるように思うし、自分の立場に関係なく考えたいことで……。

なんていうのかな、「高尚な人間」まではいかなくても、自分の何らかの役割、肩書き、地位、何かに関する知識、技術、能力、活動、経験年数、持っている物(高価な物、希少な物、最新の物など)、関わりのある人(高い地位や特別な肩書きを持つ人など)なんかによって“自分が何者かになれたような気分になる”というのは、けっこうよくある話だと思うんです。そして、他者を見下したりも……。

「何者かになれたような気分」に寄りかかるのはわりと簡単で、ある意味では楽でもありますよね。わたしのように劣等感が強いとなおさらかな(苦笑)。

けれどそうではなくて、本当はわたしはわたし以上でも以下でもないし、いつだって自分自身が問われていて、自分の言動やあり方をクリティカルに、謙虚に、そして素朴に見つめることができる、そういう自分を心がけたい、そういう自分に少しでも近づけるよう努力を続けていきたい……そんなふうに思うんですよね。こうして書いてみると、実際の自分よりも言葉のほうがずいぶんと立派(?)に見えて、ちょっとどきどきしてしまうけれど(汗)。

実は、ね。愚痴になってしまいますが……。知り合いにその「何者かになれたような気分」にだいぶ寄りかかっている?かもしれない、そのように見えるある人がいて、最近その人にうんざりしてしまって。いや、そこに寄りかかっているだけならまだいいのですが、相手(わたし)の気持ちっていうものはどうやら全く考えないみたい。そして(だから)、言っていること、やっていることがけっこうひどくない?ということがいろいろと。

その人の状態や根っこにあるものを全く想像できないわけではないし、むしろわたしと似ている部分もたくさんあるんじゃないかなぁと思ったりもする。そういう意味でも、話し合おうとしたし、分かり合えるのではないかとも思ったのですが……実際はそれも難しいようです。なんかね、話がさっぱり噛み合わなくて。

今後その人とは距離を置くことになりそうなのと、改めて、自分は自分のことをしっかり見つめていこう、そう思いました。

今回はまたボリューミーな記事になりました。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます。

(余談ですが、「ボリューミー」って和製英語なんですね。そうかどうかも考えたことなかったなぁ)

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